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ファンタジー・コミック大賞
                   第30回(29年上半期)

ギャラリー

第30回応募作

佳 作
「ランプ雑貨店」

ユウナギ
(福井県・34歳)





















    第27回応募作


佳作
「ミャーヴ島物語
 星まつりの夜」

ユウナギ
(福井県・34歳)



第25回応募作


佳作
「死神と少年」

Riopopo
(埼玉県・32歳)
















第24回応募作

      佳作「はっちゃんのこと」 
     袖山百年(東京都北区・33歳) 

選評
ネコたちの島「ミャーヴ島」で、不思議な雑貨屋さんの不思議な帽子を拾って…

ユウナギさん、2回目の応募作です。
主人公の少女は、前回と同じ、ということは「ミャーヴ島物語」は連作なのですね。
入選を目指していただくために、具体的なアドバイスをさせていただきます。
創作の原点を確認しましょう。
作者の感動があり、その感動を作品に表現して、読者に伝えようとする。
読者は、主人公の心情に共鳴・共振して、作品世界に遊び、主人公の感動を共有します。
そのために必要な第一条件は、主人公のキャラを立てること。
具体的にいえば、性格、年齢、状況(学生? OL? 不登校?…)、家庭環境、家族等々を決め込み、それらが読者に伝わるようなシーンを冒頭につくる。(文で説明しない)。キャラに名前は必須。キャラが不明瞭だと、読者は感情移入できず、作品世界に入っていけません。
物語が展開する舞台を絵でしっかり説明する。「ミャーヴ島物語」はどのような特性、特徴のある場所なのか。モデルとなる具体的な場所を特定して、デフォルメを重ねて、作者オリジナルの世界を作り上げてください。1コマ目の街の情景では、どこかの商店街にしか見えません。
舞台とキャラを読者にしっかり伝えるためには、1コマ目は、すくなくとも2/3ページ以上のコマどりが必要でしょう。
「帽子の内側に何だか不思議な模様が…」は説明過剰なセリフ。「不思議な模様」は絵で表現すればよい。(絵を見れば理解できることは、特に強調する場合を除いて、文は不要)
「あ」のコマは不要。帽子の内側の絵のコマをアップで描き、フキダシで「あ」と入れておけばよい。
ネコさんの性格不明。性格を決めて、その性格が強調されるような表情、ポーズ、ファッション、セリフを工夫する。名前が欲しい。
2から3ページ、空間瞬間移動の説明が全然ないのは、不親切。作品世界なりの空間移動の論理・理屈が必要。言葉でなく、絵で読者が納得行くように工夫する。
6ページも同様の工夫を。
大コマは3ページではなく、4ページの店内のほう。多種多様な物を描きこんでは、かえって効果がうすれます。帽子に絞ったほうが、テーマにも合うし、濃密な空間が表現できたと思います。
8ページ、上3コマは、7ページに送って、8ページいっぱいに星座輝く夜空にしたほうが感動が生まれます。光と闇のコントラストをもっと強く描く。

以上を参考に、基本的にもっていらっしゃる画力を十分発揮して、「漫画」の深化をめざしてください。


第27回選評
ネコたちの島「ミャーヴ島」の星まつりを訪れた少女。
金魚すくいでもらった美しい一匹の金魚が…

メルヘンティックな画面と展開、夢の中をさまようような心地にしてくれる楽しい作品です。
絵はケレン味なく、丁寧に描きこまれ、快い出来栄えです。
タイトルページの巨大な金魚の構図はインパクト十分です。
7ページの望遠鏡の視界の中の金魚像は、円形の中に収めた結果、クライマックスの場面としてはインパクト不足になったかと思います。金魚の巨大な美しさを表現するために、比較する何かを配する、望遠鏡のイメージを表現するためにコマの隅にアールを入れる、等の工夫を。
読んでらっしゃるかと思いますが、ますむらひろし氏の「アタゴオル」の世界を研究してみてください。森、草木や岩、家など、独特の魅力を放つフォルムで構成されています。あの世界は、例えばガウディの建築とか、火山とかをモデルにデフォルメを重ねてますむら氏しか描けない異世界を創り出しています。
ストーリーとしては、金魚が少女の内面の何かとリンクしていると、ファンタジーに奥深い輝きが生まれます。
ファンタジーの原則については、前2回の選評を参考にしてください。
ユウナギさんの作風はCFの理念にピタリはまっています。
次作、期待しています!

  








第25回選評
鉛筆で描きこんだ、詩情ただようモノクロの絵本作品です。
イントロの町並み、10画面目の町を飛ぶシーンなど、情感あふれるとてもいい雰囲気の画面になっています。ラストの少年の顔がとても魅力的です。
せっかくの画力、絵本への志をお持ちなのに、絵本の基本を知らないまま、手探りで創作されている印象を受けました。

以下、絵本の技術的なポイント例です。
・イントロ:画面に描くキャラ、ファッション、町並み等すべて、頭の中のあいまいなイメージで描かない。時代、国、町のモデルを決め、資料を集め、1点ずつデッサンをとった上で(エスキース)デフォルメしていく。すべてのページでこの手順を踏むことで、絵本全体の画面の奥行き、リアリティが深まります。
・少年は発熱するのだから、イントロの少年のポーズに、その気配を表現する。次のページに展開する画面のヒントを前画面に入れるよう心がける。
・少年の部屋の小物類を工夫することで、両親の気配、少年の性格、生活(例えば、オモチャの種類、壁面の装飾等)を表現する。
・「死神」のイメージを明確に。漠然としたイメージでは、よくわからないキャラになります。大鎌を持った死神は西欧の民話・神話が源です。そこを調べて、死神の性格をしっかり決め込むこと。死神をテーマにした民話や西欧の小説をいくつか読むこと。
グリム童話に「死神の名付け親」、SFの巨匠レイ・bラッドベリの「大鎌」などがあります。
・ファンタジーの大原則は、登場するキャラのだれかの頭の中に起こった物語を、本当に起こったこととして、リアリティをもって描くこと。本作の場合は、少年の頭の中で起こった出来事。頭の中に生まれる出来事は、少年の現実生活の反映。現実生活に、「死」が絡まる出来事があったのか。強い友情で結ばれた友達がいるのか。死神のようにやさしい気質の友達がいるのか。あるいは、自分の憧れを投影したキャラなのか。
・「死神はだれかをつれていこうとすると 体をうまくうごかすことができません。」のシーンは、コマわりになっていますが、かえって効果が薄くなっています。1画面で、死神の困難な状況がひとめで分かるようなシーンを工夫したい。死神のキャラを表現する重要な場面なので。

すでに読んでらっしゃるかもしれませんが、「絵本創作」のHOW−TO書を何冊か熟読されることをお勧めします。


第24回選評
袖山さんは、17,19号で佳作入選されています。3年ぶりの応募です。
以前も、イタガキノブオ氏の評で、絵の上手さを賞賛されていました。タヌキのキャラはわめて完成度が高い造形です。
失恋の悲しみから、はっちゃんというタヌキのキャラが登場して、主人公の女性が癒されていく、というファンタジー。
最後に、女性がカップ麺を食べるシーンが出てきます。カップにタヌキの「はっちゃん」がプリントされています。そこで、この物語は、カップのキャラを見たときに主人公の頭の中に生じたファンタジーだった、という運びになります。
絵もストーリーも「夢と童心で描く夢世界」というCFのコンセプトにぴたりハマる、「ファンタジー」としての骨格がしっかりできた作品です。
恋の深さにもよりますが、失恋からの回復は、当人には必死の作業です。ひたむきに寄り添ってくれるはっちゃんのような友人があらわれてくれれば、失恋の痛手はかなり癒してもらえるでしょう。ただ、それは女性の憧れで、憧れだけでは失恋から回復できないでしょう。
女性のなんらかの行動が回復への道につながっていく、あるいは、ますます絶望の深みにはまっていく、という展開であれば、作品は深化して、底光りを放ってきます。
「憧れ」だけでは底の浅い作品になる、ことを心がけていただければ、と思います。(榎本)

informationお知らせ

2017年6月
「第29回ファンタジー・コミック大賞」アップ  
   

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